旅の目的の一つは、登山だが北海道の山は、大雪山しか登ったことがない。それも大雨の日だった。
北海道には、日本百名山が9座ある。その他にも良い山が多くあるようだが、取り敢えずは有名どころの百名山を目指そう。
ということで、上陸した苫小牧から一番近い羊蹄山に登ることにした。
羊蹄山(ようていざん)
その山容から蝦夷富士と呼ばれるが、この○○富士という別名を持つ山は好きだ。
登るのには辛いが、360度望める展望がいい。
真狩(まっかり)登山口から登る
羊蹄山の登山口は4つで、メインは倶知安比羅夫(くっちゃんひらふ)コースで、サブコースが、真狩コースみたいだが、僕は、登山口の駐車場で車中泊するので、その環境で登山口を選んだ。真狩登山口には、隣にキャンプ場があるので、水場やトイレの設備が整っている。
羊蹄山は、標高が1898メートルだが、登山口の標高が低く、山頂までの標高差が1671メートルだ!
富士山の一般的な登山ルートの富士スバルライン5合目は、標高が2300以上あるので、山頂までの標高差は、1474メートルしかない。
オマケに富士山同様、お鉢まわりもある。
九州の低山で慣れているので、少し気合を入れて登ろう!
登山口から3合目付近までは、白樺の樹林帯を歩く・・・熊はいないようだ!
ここは、5合目だが、3合目を過ぎた辺りから少し展望が出てくる。
洞爺湖が見える。
山容から想像できるが、予想通りひたすら急勾配の登りだ!
8合目を過ぎた辺りから、一気に展望が開ける。
展望が開けると一気にテンションも上がる。不思議に歩みも早くなる。
しかし、風が強い!北海道の風は冷たい。上がったテンションを適度に抑えてくれる。
9合目を過ぎた辺りだが、まだ長い。
他の人が撮っていたので、真似して撮ってみた。ハクサンチドリ?花はよくわからない。他にもチングルマとか知らない高山植物が咲いている。
北海道の山は今が春で、8月の短い夏が過ぎると9月には紅葉の時期になる。
9合目の避難小屋と右手前は万年雪だ。アルプスを思わせる絶景だ。
この小屋は、6月中旬から10月中旬まで、自然保護監視員と避難小屋管理人を兼務した職員が常駐しているが、水や食糧などの提供はなく、テント場もない。
小屋からの朝日は最高らしいが、「現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、天候不良・体調不良などの緊急時を除き宿泊目的での利用はできません」。と書いてある。
着いたと思ったら、火口の縁だった。山頂は火口の反対側だ。
火口内部、羊蹄山は成層火山だ。中央の雪解け水で顔を洗いたい。
半時計方向に火口のお鉢まわりに向かう。岩稜帯なので少し危険な箇所もある。
朝5時に出発し、10時に山頂に着いた。標高差があるし距離も長い、登りで足を使い過ぎると、下りで転けそうなので、スローペースで登ったが、5時間はかかり過ぎだ。
旧山頂か!一等三角点がある。ここから先は快適なお鉢まわりだ。
展望を見ながら快適に進む。
お鉢の全体は写真に入り切れなかったが、1週1時間以上かかる。しかし、この稜線歩きは格別だ。
登山アプリのGPSログ
後方羊蹄山(しりべしやま)
一般的には、羊蹄山(ようていざん)というが、日本百名山には、後方羊蹄山と記されている。後方羊蹄山は日本書紀に記された歴史的な名前らしく、今は便宜的な略名として羊蹄山が主流になったようで、地図にも羊蹄山と記されている。
羊蹄山の北には尻別川(しりべつがわ)が流れていて、南には真狩川(まっかりがわ)がそれぞれ山を回るように流れている。
「しりべしやま」はこの尻別から来たと思われている。また、アイヌ語では、この山を「マッカリヌプリ」というらしい。ヌプリは山の意味で、マッカリの山になる。
いずれも川が語源だが、この山自体には川はない。登山口の水場も地下水ということだった。
富士山同様、地下に染み込んだ地下水が長い年月を経て地上に湧き出ているみたいだ。
他の登山者の話だと、僕が登った真狩登山口の水場にも多くの人が水タンクを持って汲みにくるらしい。
僕の車には19リットル入るタンクが積んである。当然ながら、僕もたっぷり汲ませてもらった。1週間は持つだろう!