約1兆4000億円の赤字
この数字は、昨日、ソフトバンクグループが発表した、今年の第一四半期の決算内容だ。約10兆円で運用しているビジョンファンドが、大赤字らしい。
ソフトバンクグループは5年ほど前にこのファンドを立ち上げた。ファンドとは、お金を集めて、企業などに投資するものだが、投資した企業業績が上がれば株価収益などを得ることになる。
ビジョンファンドは、88企業に投資しているらしいが、ほぼ、IT関連企業みたいだ。孫さんが頭がいいのはその経歴からも分かるが、最も高い能力は、将来を見通す能力かもしれない。
孫さんは、IT社会を見通し投資をしていると言うことだが、新型コロナとともに転けかけている。
しかし、個人的にはそれ以上の懸念材料がある。
自社株買い
孫さんは、ファンドが上場している株を担保に金を借りているが、この株が下落したので、また、借金して自社株買いをしている。
担保の株価が下落すると銀行から追加担保を迫られるので、また借金して自社株買いをして株価を吊り上げていると言うことだ。
このやり口は、法律には違反していないと言え、コンプライアンス的にはどうなのか、まともなの企業家のやることではないだろう。
有能な取り巻きが離れていく
4〜5年前には、インド人のGoogle出身幹部を社外取締役に置いたが、1年ぐらいで退任した。確か、孫さんが自分の後継者だとか褒めちぎっていた人だ。
その次には、日本電産の社長を社外取締役に置いたが、この人も直ぐに退任した。
そして、去年、ユニクロの柳生社長も退任した。昨日の発表では、アリババCEOのジャックマーさんの社外取締役退任も伝えられた。
事業家であった孫さんが、ビジョンファンドを立ち上げ投資家になってから、名だたる経営者が、孫さんから離れていっている。
ウィーワーク
ウィーワークと言う名前は、一時期ニュースでよく聞いた。ビィジョンファンドが投資している会社だが、アメリカで企業家のワークスペースを提供する会社だ。
孫さんは5兆円の価値があると言っていたが、上場前に見せかけだけで、そんな価値がないことが分かって、上場できなくなり、今は虫の息だ。その後、この会社のCEOだった人物から、株を買い取る約束だった・・?とか何とかで訴えられている。
手段を選ばず
孫さんの10兆円のビジョンファンドに4兆円以上の金を出しているのは、サウジのサルマン王子らしい。王様の息子だが実質の権力者と言われる。
一昨年末に、トルコのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者が生きたままノコギリで切り刻まれて殺害された事件があったが、この殺害を裏で指示したとされるのが、この王子だ。当時、ノコギリ王子と揶揄された。孫さんは、この王子に4兆円の金を借りていて年間7%の利息を払っている。
当面潰れることはないだろう
ソフトバンクは、法人税も払っていないらしい。イギリスの会社を買収した時、評価額以上の価格で買収したので、それを損益計上・・・? 何かよく分からないが、税制法の抜け穴があるらしい。
孫さんは、中国のアリババに投資して、このアリババが大躍進をして大儲けした。先見性があったにしろ、アリババは中国の軍事事業にも絡んでいると言われる。
いずれにしても、このアリババの株を時価総額でも10兆円以上保有しているので、当面は潰れることはないだろう。
表と裏の顔
孫さんは投資家として成功したいのか、自分が想像する近未来を実現させたいのか、大金持ちになって世界に名を馳せたいのか?
孫さんがメディアで見せる顔は、温厚で人が良さそうに見える。最近も新型コロナの抗体検査キットを無償提供するとか、他にも医療機関に対する無償支援を表明している。
表では、そう言う人道的な顔を見せているが、先に書いたように、事業家から投資家になってからやってることは、とても信頼されるべき企業家のやることではないと思うが・・・。