薩摩半島から北上していたら、九州百名山の冠岳というのがあるのに気づいた。
2日連続で山に登っているので足を休めたいが、登山口から山頂までの標高差も300m程度なので、行ってみることにした。
この山は、鹿児島県いちき串木野市と薩摩川内市の境にあり、南九州古代山岳仏教発祥縁の地であり、真言密教の地でもあったらしい・・・要は霊山ということだ。
また、秦の使者徐福が訪れたとする伝説もあって、何となく面白そうだ。
登山口に向かう途中・・・あれが冠岳のようだ。
登山口の冠岳展望公園だ、朝の8時頃だが日曜なのに誰もいない。
駐車場からの景色、中々良いところだ。
案内板の黄色線のルートを右回りで辿ってみる。
駐車場のすぐ上にある登山口から参道を進むと鎮國寺に着く、高野山真言宗の寺院みたいだ。
建物の上に見えるのが冠岳だ。
登山道は、よく整備されていて歩きやすい。
しばらく進むと天狗岩がある。
案内板には、自然の岩が5段に積み重なっている・・・とあるが、上からは分からない。
1時間弱で山頂到着、自撮りでもしておこう。
山頂には上宮祠の他、冠嶽八十八ヶ所第五番の石柱が立っている。
鎮国寺に始まり、鎮国寺で終わる全長60kmの遍路歩きのルートがあるらしい。
展望、霞んでいなければ、昨日登った野間岳や金峰山、開聞岳に桜島も見えるはずだ。
山頂から東に進むと経の塚に着く、これはお経を積み重ねたような石積みあったかららしいが、昔は、お経を書写して埋める風習があって、経塚は全国にある。
次は、煙草神社に向かう。
鎖場みたいなところもある、見上げると登って来た冠岳が見える。
岩肌を手彫りしていて、潜っていくと半洞窟みたいな中に煙草神社がある。
名前の由来が気になるが、いちき串木野市のホームページによると
「その昔、蘇我馬子が崇峻天皇の怒りにふれて流され、後に都へ帰るとき、大岩戸神社の洞窟に記念に煙草をまいたとの言い伝えがあり、珍しい野生の煙草が自生していることから煙草神社と呼ばれるようになりました。」
とある。
煙草神社を過ぎると車道に出る、車道を1キロ歩いて駐車場に戻ってくる。
駐車場の上には、早咲きの桜に囲まれた東屋もあるし、徐福石像が聳えている。
この高さは6mで徐福像としては日本一らしい。
徐福は、秦の始皇帝の命で蓬莱の国にあるという不老不死の霊薬を求めて来たものだが、徐福伝説は、全国各地にある。
数千の部下を引き連れ、大船団で渡来したとされるが、数手に分かれ一部は日本海沿いを一部は太平洋沿いを北上していることから、各地に伝説が残っているというのが通説のようだ。
因みに、冠岳の名前は、徐福がこの山に来て王冠を置いたことが由来らしい。
徐福像越しの冠岳。
無事駐車場帰還。
GPSログ
3日連続の山行となったが、累積標高も300mほどで大して疲れなかったが、数日はゆっくりしよう。