大谷翔平は、8月24日40ホームラン、40盗塁という偉業を同日達成した。
それも9回2アウトからの満塁さよならホームランという劇的な演出付きでの達成だ。
何がすごいのかというと、大リーグ100数十年の歴史で過去5人しか達成しておらず、史上6人目らしい。
殿堂入りとかノーヒットノーランとかは何人もいるが、それよりも希少であって、それを満塁さよならホームランという、強烈なインパクトで達成した。
何故希少なのか・・・、パワーとスピードは相反するもので、パワーをつけると体重が増えスピードが落ちるからだ。
更に凄いのは、過去の達成者は150試合程度を要しているのに、126試合目で達成したということで、まだまだ記録が延びるということだ。
40ホームラン
開幕当初は、なかなかホームランが出なかった。
元通訳の問題もあり、睡眠時間が足りない日が続いたともコメントしていたが、大谷への嫌疑がはれたあと、6月は、12本を放ってトップ争いに入った。
7月はやや低迷し、8月に入ると打率が2割弱と調子が上がらずもホームラン数は8本とナ・リーグトップを維持している。
40号ホームランは、外角低めでボール一個分ずつ甘いとは言え、左腕の初球スライダーを体勢を少し崩されつつ、右中間、センター寄りに運んだ・・・素晴らしい!
この偉業を決起に量産体制に入って欲しいところだ。
40盗塁
大谷は、春季キャンプから走力を上げるためのトレーニングをしていて、スプリント力が上がったとコメントしていた。
今年は、肘の手術からのリハビリ中でピッチングが出来ない分、自分の持っているスプリント力でチームに貢献したいという意識と努力の成果だろう。
走ることは怪我のリスクがあるので、ホームランバッターは好まないし、当初多くの解説者が走らない方がいいと言っていたが、その解説者達も口をつぐんだ格好だ。
去年までの大谷の盗塁成功率は72%で、あのイチローが81%だったらしいが、今年の大谷の盗塁成功率は91%らしい。
塁間のスピードは突出するほどではないが、スタート時のスピードが抜群らしい。
ともあれ、限られた選手生命の中で、怪我のリスクを顧みず、自分の持っているスキルを最大限に表現しようとする姿には感銘を受ける。
劇的な満塁さよならホームラン
劇的過ぎる記録達成は漫画のようだと大々的に報道された。
大谷はインタビューで、最後打ったのは自分だが、そのチャンスを作ってくれる選手が必要で、その人達のおかげで打てたとコメントした。
それは、ショート、ロハスの送りバントや代打マンシーの四球があって満塁となり、打席が回ってきたことを指していて、大舞台に至る同僚の仕事の上に成り立ったことを表現している。
昨今は、大口を叩く選手が多い中、謙虚な人となりが結果として現れたのかもしれない。
大谷はよくグランドのゴミを拾ってポケットに入れることがある、その理由を聞かれると、人が落とした”運”を拾っていると表現しているが、謙虚さや、そういう日々の行いが、劇的な記録達成を演出したような気がしてならない。
ともあれ、日々の楽しみを与えてくれていることに感謝しよう。