WBCを存分に楽しませてもらった。
個人的には、優勝云々より負けても拍手が送れるような試合をしてくれればいいと思っていた。
フォアボールで押し出しがあったり、エラーで失点したりすると悔いが残る試合になる。
そんな試合だけはやめてくれと思っていたが、いやはや、想像を絶する漫画みたいな幕切れで優勝するとは・・・。
若手投手
大谷選手などいろんな選手がクローズアップされているが、優勝の大きな要因は大谷選手を含めた投手力だろう。
アメリカの野手陣は銀河系軍団と称されマイクトラウトを筆頭に多くのMVPプレイヤーで構成されていたが、その打線を2点に抑えた。
それも高橋や戸郷、大勢などいずれも若い!高橋なんかはまだ20歳で、アメリカの飲酒は21歳からなのでシャンパンファイトにも入れなかったらしい。
その若手投手陣が臆する事なく勝負して討ち取ったのは素晴らしかった。
シリーズを通しても日本投手陣が大きく崩れた試合はなく、防御率も一位だろう。
村上選手などの野手陣も若い者が多く、3年後のWBCも楽しみだ。
韓国
何故、あえて韓国について書くかというと、6年前か9年前か忘れたが、日本に勝った韓国が、マウンドに国旗を立てた行為を覚えているからだ。
スポーツマンシップの欠片もない、相手を侮辱する行為には、頭に来ると言うより、何だコイツら・・・と唖然とした記憶がある。
他にも、サッカーのアジアカップか何かでもトロフィー踏みつけ侮辱する行為があった。勝つことに固執するあまり、反則まがいの蛮行も多い。
特に日本には敵意むき出しで来る韓国がどれほどのものかと思っていたが、結果、あわやコールド勝ちという大量点差で圧勝した。
日本は、デッドボールを当てたチェコ選手に佐々木投手がお菓子を持って行ったり、大谷選手がチェコの帽子を被りアメリカ入りするなど、相手に対する敬意を忘れない。
韓国に比べ、リスペクトを忘れない日本選手の姿を見ると誇らしい限りだ。
MVP大谷翔平
決勝戦1点差で9回2死、同じエンゼルス同僚のマイクトラウト対大谷翔平、何とドラマチックなことか。
僕は、2年前からエンゼルスの試合は見ているので、マイクトラウトがどれほどの選手か理解している。
去年は、途中怪我で離脱したにもかかわらず、大谷選手より多い40本のホームランを打っている。
特に低めが強く、落ちる変化球もスタンドに放り込む、MVP3回の最強バッターだ。
内心一発もある・・・と思っていたが、それを上回るピッチングで勝ち切った。
ボテボテのサードゴロでも何でも良いわけだが空振り三振、しかも、トラウトは3回バットを振った、ど真中のストレートもあったが、1回もバットに当たらず、完璧に抑えた。
ここ1番の集中力は凄まじいとしか言いようがない。
ユニコーン
大谷は、アメリカでは伝説の動物ユニコーンと称されるようになった。
もはや人間じゃないという意味でそう呼ばれているが、確かにその域に達している。
僕が震撼したのは、過去のブログにも書いているように2年前の4月、初めて二刀流で先発した試合の第一打席で豪快なホームランを打った時だ。
この時、バスケットボールのマイケルジョーダンやゴルフのタイガーウッズをテレビで見た時のような衝撃を受けた。要は、とても人間業ではないと思った訳だ。
そしてこの年46本のホームランを打ちのMVPを受賞した。
去年は、8月31日だったか、アーロンジャッジのいるヤンキースとの試合でエース、ゲリットコールから逆転のスリーランを打った。
これが2年連続の30号となり、勝利を導く一打となった、これも記憶に残る一本だった。
そして今回のトラウトとの対決も長く語り継がれることになるだろう。
今大会大谷のホームランランは、自身の看板直撃の一本だったが、打率は日本選手で1位の数字を残し、投げても大谷で始まり大谷で終わった。
真さにユニコーンというしかない活躍だ。
大谷翔平の進化
去年大谷選手は15勝を挙げた、投球の軸になったのがスライダーだ。
いろんなスライダーを投げるが、スイーパーと呼ばれる横に滑るスライダーで、正にマイクトラウトを三振に討ち取った球だ。
あの球の曲がり幅は43センチだったらしい。
去年からこのスイーパーを投げるようになったが、この球は落ちずに曲がるのでバッターから見ると浮いて曲がるように見えるらしく、打ちにくいらしい。
去年の試合でもスライダーが高めに浮いていて、抜けているのかと思っていたが、どうも意識的に高めに投げているみたいだ。
アメリカでは、フライボール革命やバレルゾーンという考え方で、アッパースイングが主流になっているので、落ちずに曲がる球が効果的と考えているのだろう。
多分、今年もこれらのスライダーを軸に投げるだろうが、去年中盤にはツーシームも投げ出したし、更に進化している。
一昨年は、9勝46本、昨年は、ピッチングを進化させ15勝34本、さて、今年も怪我なくシーズン過ごせれば、また更なる伝説を作ってくれるかもしれない。
栗山監督
ペッパーミルのヌードバーやまとめ役のダルビッシュ、骨折した源田に調子のが上がらない村上等々、いろんなセカンドストーリーがあるが、やはり敬意を評するべきは栗山監督だ。
相当の覚悟や決断が必要な役回りであることは、誰もが感じるところだが、それにしても、いろんなところに選手に対する信頼や心遣いが見える。
人柄というか、人間性というか感服する限りだ。
次の監督が誰になるか分からないが、栗山監督には、しばらくは、ゆっくり休んで欲しいものだ。