キャンピングカーのサブバッテリーがダウンしたので、リチウムイオンバッテリーへの乗せ替えを検討したが、安全性を優先し、ポータブル電源を追加装備することにしたので、その経緯を書いてみる。
サブバッテリーがダウン
僕のキャンピングカーはハイエースワイドを架装したしたバンコンと言われるものだが、電子レンジなどを稼働させるためにサブバッテリー2個を積んでいる。
先日、車中泊してFFヒーターをつけて寝ていたら、寒くて目が覚めた。
サブバッテリーの電圧表示が消えていてFFヒーターがダウンしたためだ。
外気温は2度、しばらく我慢して寝ていたが、寒がりの僕には耐えられず、車を走らせ帰路につく羽目になった。
サブバッテリーの寿命か
新車から2年10か月、寿命かとも思ったが関連している電装の不具合の可能性もあるので、整備工場で見てもらうことに・・。
結果は、まだ正常の範囲内で、充電装置などの周辺機器点検も問題なかった。
バッテリーの残量は電圧で推定するしかないので分かりにくい。
FFヒーターも点火時等に大きな電力を使うので、一気に電圧が下がり、結果、電圧不足でFFヒーターがダウンしたとしか考えられない。
連泊ではないしソーラー充電もしているので、充電不足は考えにくいが、様子をみることにした。
リチウムイオンバッテリーの検討
サブバッテリーは、ディープサイクルバッテリーという鉛バッテリーで、僕のは2本で70,000円だ。
最近は、リチウムイオンバッテリーのキャンピングカーも増えてきたので、リチウムイオンバッテリーに乗せ替えようかと思い調べてみた。
リチウムイオンバッテリーは、小型、軽量、高出力の上に、寿命が10年〜15年とかなり長い、いいことずくしだが、信頼できそうなメーカーだと200Ahで180,000円前後する。
それでも電圧の安定性やアプリで残量把握ができたりと利便性を含め長期的にはコスパがいい。
販売店は
販売店に相談してみると、リチウムイオンへの乗せ替えはしていないとのこと、要望は多いが安全性が担保できないことが理由らしい。
リチウムイオンは、内部がデリケートで何らかの原因でショートなどすると発火、爆発の可能性があるし、電圧管理なども重要という。
なので設置位置も車の側面は、側面衝突の場合危険とか色々あるらしい。
新車であれば衝撃に耐える構造にしたり、その辺をクリアーして設置しているだろうが、鉛バッテリーからの乗せ替えは専門業者としては受けづらいということだろう。
個人でやれば
ネットで購入し単純に乗せ替えれば簡単だが、出力が高いのでそれに対応した配線、充電機器やインバーターも替えないといけないみたいだ。
DIYブームで、15万程度で乗せ替える人もいて、YouTubeで配信している人も多いが、安全面でかなり不安だ。
僕はマンション住まいで作業スペースがないこともあるが、安全・安心を優先してやらないことにした。
乗せ替え業者
調べると乗せ替えてくれる業者はあるにはある(少ない)が、車によって30万とか60万とかで相場も分からない。
いずれにしても、おおよそ小規模の業者で信頼性に不安がある。
発火爆発事故
今年1月には、キャンピングカーのリチウムイオンバッテリーから発火爆発事故があって車は全壊している。
このバッテリーは大手ビルダーが採用しているもので台湾製(中のセルは韓国製)のものだ。
この方は、YouTubeで爆発事故の内容をアップしていて補償問題も含め、この危険性について拡散を希望されている。
話によると中のセルが一個づつ爆発するので100数十回の爆発が起きるらしく、少なくとも内3回は5mのキャンピングカーが飛び上がるほどの大きな爆発があったらしい。
奇跡的に助かったらしいが、普通なら人は絶対に助からないとコメントしている。
補償問題
製造者責任法という法律上、責任は製造したビルダーさんにあるみたいで、損害賠償請求をしているが、未だ回答がないらしい。
ビルダーさんとしては製造に問題なく、バッテリーの問題と捉えているようだ・・・。
家庭用の蓄電池は家屋から5m以上離すとか、一定の容量以上の蓄電池は届出が必要だとかの規定があるみたいだが、車についての規定はない、ただ、PL保険(生産物賠償責任保険)というものがあるらしく、補償問題がどうなるか興味があるところだ。
話によると、同じバッテリーが、キャンピングカー1万台以上に搭載されているので心配されている。
考えると既製の使用を変更してリチウムイオンバッテリーを搭載した場合は、業者もこの補償問題がネックになるのかもしれない。
携帯電話のリチウム電池が発火したというような話もあるが、全く規模が違う話なので運が悪かったでは済まされない。
稀なケースとは言え補償問題などを考慮し、現段階では見送ることにした。
ポータブル電源
世話になっている販売店の人が推奨するのは、ポータブル電源を使用すると言うことだ。
キャンプ用の外部電源や非常用電源などとしても知られているが、持ち運び用なので衝撃などにも強く、同じリチウムイオンでも事故率は低く安全性は高い。
なので、これだけの容量があればという1000Whレベルの信頼性の高いポータブル電源をググリまくって選んでみた。
|
DELTA2 |
Jackery 1000 Pro |
Anker 555 |
価格 |
143,000 |
¥149,800 |
¥149,900 |
容量 |
1024Wh |
1002Wh |
1024Wh |
出力 |
1500W |
1000W |
1000W |
充電時間 |
1時間 20分 |
1時間 48分 |
5時間 30分 |
電池種類 |
リン酸鉄 |
三元系 |
リン酸鉄 |
サイズ |
400×211×281 |
340×262×255 |
350×295×188 |
重量 |
12kg |
11.5kg |
13.1kg |
サイクル寿命 |
3000回 |
1000回 |
3000回 |
保証 |
5年 |
5年 |
5年 |
アプリ |
なし |
なし |
|
XーBoost |
1900W |
なし |
なし |
結論は、EcoFlow社のDELTA2というモデルを買うことにした。
もっと安い物でも十分だが、10年以上は持つので、ここで出し惜しみはすべきではないだろう。
リチウムイオン電池の安全評価試験では、リン酸鉄は最高温度が267℃で、発煙してもガスが出ない。
三元系は最高温度が429℃で、発煙、発火し、一酸化炭素・フッ素ガスが出る。
なので、熱暴走が起こりにくいリン酸鉄(前述の発火事故は三元系)を選んだ。
また、アプリで充電状況の確認や充電スピードの設定などができるのも大きい。
ポータブル電源の利用方法
車には外部充電設備があるので、これに繋げば簡単だ。
外部充電は、サブバッテリーを充電する機能ともう一つ、車内の電化製品などをサブバッテリーからの電源供給ではなく外部電源から電源供給で動かすことができる。
問題は、外部充電のコネクターが車外にあることなので、車内に同様の充電設備を作ればいい訳で、販売店もこれを推奨している。
おおよそ5万円で出力だけではなくポータブル電源への充電も出来るようにしてくれるというので、お願いすることにしている。
金はかかるが、快適性と安全性を考えれば仕方がない。