大船山(たいせんざん)は、大分県久住町にある山で、九重連峰の東に位置する山だ。
船が転覆したような姿からその名が付けられたらしい。
山頂直下の火口が池になっていて”御池”と呼ぶが、その周りの紅葉が九州で一番早く、絶景として名を馳せている。
登山口は5箇所ほどあるが、距離の長い”長者原”から登ることにした。上の写真のタデ原湿原というところだ。
雨ヶ池というところを越え、テント泊の場所として人気の”坊がつる”に出て、大船山に登る。コースタイムは3時間40分だ!
昨日の夕食後に急に思い立ち、夜車を走らせ登山口である長者原で車中泊した。
駐車場は昨日の夜から7〜8割埋まっていたが、坊がつるでテント泊している人や、法華院山荘に宿泊している人も停めている。
今朝、6時40分に出発!雲が気持ち悪い。
タデ原湿原を歩く、木道は薄く霜が降りているところもある。
東向きに進むので完全に逆光!
雨ヶ池越えのルートに入る。登山届の箱があるので、書いて入れる。
1時間ほどで雨ヶ池に出る。
さらに1時間弱歩くと”坊がつる”に出る。
坊がつるを歩く。ここは標高1200メートルに広がる広大な湿原だが、”坊がつる”の語源は、坊は寺院(久住山信仰の中核である法華院。 現在の法華院温泉)、ツルは”水”のことで、川のある平らな土地の意味、つまり法華院近くの湿地帯といった意味らしい。
通ってきたタデ原湿原とともに、中間湿原として国内最大級の面積を有する湿原で、”くじゅう坊ガツル・タデ原湿原”としてラムサール条約の登録湿地となっているとか。
テント場だ。20張はあったろうか、他にも数百メートル離れた法華院温泉のところにもテント場がある。
テント場を通過し、大船山の登山口に入る。
1時間強で段原というところに出る。鞍部のようなところだ。
段原から大船山を見る。写真だと遠いように見えるが、あの山頂まで15分で行く!
山頂到着!お決まりの記念撮影!
紅葉で有名な山頂直下の御池!
今年は10月まで夏日が続いたので、今年の紅葉はこれ以上は期待できない。
これは2年前の写真、今年は紅葉せずに葉が落ちそう!(もう大分葉が落ちている)
山頂から阿蘇方向を見る。僅かに噴煙が見える。(右の方)
由布岳だ、かっこいい!
山頂西側の岩場、僕のお気に入りの場所だ。ここから見る九重連山、坊がつるが大好きだ。正直、紅葉よりもここからの景色を見たくて来たようなものだ!
素足に短パンを履いた。若い子が登ってきたので、撮ってもらった。
この季節、素足はないだろう、タイツくらい履けよと思うが、寒くないか聞いてみたら、動いていないと止まったら寒いと言う。
そりゃそうだろう、山頂は10度程度だ、登山中は体は熱をもつが、体の表面は外気を受けるので冷たい。朝早かったせいもあるが、手袋も必須だ。
ここでまったり1時間弱休憩した。
大船山から pic.twitter.com/GTzLQvSxUw
— matt (@matt88998224) 2021年10月27日
ここは、元々、天台宗の霊場だそうだが、標高1303メートルで、九州で一番標高の高い温泉として人気が高い。宿泊施設もあるので、ここを拠点に九重連山を登る人も多い。
カレー1000円!
ここには広い食堂もあるが、コロナで閉鎖しているので、外のデッキでいただいた。
カレーの器は紙だし、スプーンは木製だ。食べ終わったら、右上のビニール袋に入れてゴミ箱に入れる仕組みだ。
お腹も満たしたし、登山口の長者原に戻ることにしよう、ここから2時間弱!
ほんの少し紅葉を感じながら帰路を急いだ。
アプリの登山歴を見たら、大船山は今回が5回目だった。アプリを使い出して6年目なので、ほぼ毎年登っていることになる。
このルートは距離も往復16キロある。いつも山頂まで3時間半近くかかるのに、今日は、3時間4分で登頂した、絶好調だ!
今日の調子から行くと、まだ10年位はあの山頂に立てそうだ。
坊がつる讃歌の話
坊がつる讃歌という”山男”の歌をご存知だろうか、年配の人しか知らないだろうが、その昔、芹洋子が歌った歌で、紅白にもこの曲で初出場した。
この歌の原曲は、広島高師山岳部の部歌”雲に消えゆく山男”らしく、これを九州大学の学生が”坊がつる”を題材に替え歌した。
この替え歌がその後、九州の山岳愛好者の間で広まり、歌手の芹洋子が野外コンサートで阿蘇山麓を訪れた際、宿舎で若者たちにこの替え歌を教えてもらったということだ。そしてその翌年、NHK”みんなのうた”でそれが放送され広まった。
歌詞
1.人みな花に 酔うときも
残雪恋し 山に入り
涙を流す 山男
雪解(ゆきげ)の水に 春を知る
2.ミヤマキリシマ 咲き誇り
山くれないに 大船(たいせん)の
峰を仰ぎて 山男
花の情(なさけ)を 知る者ぞ
(3・4番省略)
この2番の歌詞にある”大船”に今日登った訳だ!
※ 2015年には、長者原の登山口にこの歌碑が建てられた。