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原油先物価格がマイナス!?

ヤフーニュースを見ていたら、ニューヨークの原油先物5月限が、一時マイナス約40ドルまで下落したと書いていた。

先物というのは、将来の売買について、あらかじめ今の時点で将来の取引の価格を約束をするものだ。分かりにくいと思うが、価格変動の影響を避けるためこういう取引が行われる。

マイナスになるということは、金をやるから原油を持っていけということだ。

なぜ、そんなことが起きるのか

簡単に言うと、原油は産出したが、保管施設も満杯で需要もないから誰も買ってくれない。と言っても原油はどこかに保管しないといけない。金を払うから持って行けということだ。

三大原油産出国は、サウジアラビア、ロシア、アメリカだが、価格を安定させるため、石油輸出国機構OPEC)というので、産出量を決めたりする。先月頃は、揉めていて協議が決裂していたが、ようやくこの頃、減産に合意したと言っていたはずだ。

じゃ何故、マイナスになるのか!買った原油は、大きなタンクに備蓄している。湾岸に大きなタンクが並んでいるのを見たことがあると思うが、あれだ。

要は、保管するにも維持費がかかる。0円で買っても、保管費用が100円かかるなら、100円損してしまう。当然、需要があればいいが、需要がないので、おそらく保管タンクの余裕もないのだろう。しかし、産出した原油はどこかに保管しないといけない。マイナス40ドルは保管施設がないから、費用が高騰したということだろう。

原油需要減の要因

新型コロナの影響で、原油需要が激減している。一番原油を使うのは、飛行機だ。季節や時間帯にもよるが、通常であれば、空には約15000機の飛行機が飛んでいる。

オーストラリア第2位と言われるヴァージンという航空会社が破綻したし、アメリカのボーイングも危機らしい。ANAも何百億という赤字を見込んでいる。

新型コロナで、国と国、あるいは地域と地域の往来が分断しているので、船や車の需要減も響いている。

アメリカの原油の多くは、シェールオイルだが、これは油を含んだ岩を採掘して、油だけ抽出しているのでコストがかかる。おそらく、この原油価格の暴落で、アメリカでは多くの関連企業が倒産するだろう。

産出を止めればいいようなものだが、一旦止めれば、従業員の問題もあるし、再開するときに大きなコストがかかるらしく、なかなか止められないらしい。

ガソリン価格は

これで、ガソリン価格が大幅下落するかと思いきや、残念ながら、これはアメリカの5月限の原油先物取引に限った話だ。他の国の原油相場は、下がってはいても、アメリカほどではない。日本の原油は中東産らしいので、日本のガソリン価格は、緩やかに下がって行くだろうが、外出できないのだから、生活には直接の影響はあまりないかもしれない。

ただ、日本でも出光興産が250億円の赤字らしいから、アメリカの話は別としても、原油安の影響は、既に経済に大きく波及し始めた。

これが、金融危機や将来のエネルギー戦争といったところに飛び火しなければいいのだが!