テレビでは、連日、新型コロナの報道がされていて、日本医師会が緊急事態宣言を出すべきだと警鐘を鳴らしている。
僕は、ニューズウィークの日本語版をよく見ているが、イタリアの医師50名が、亡くなった。ベット数が足りないとか、人工呼吸器が不足するといった話も報道されている通りだろう。
医師会としては、患者数が急増して、ヨーロッパ見たく医療崩壊するのを何とか防ぎたい。緊急事態宣言を出すべきだと言うのも当然だ。
新型コロナのリスクは、病気だけではなく、経済のリスクが非常に大きい。緊急事態宣言は、経済封鎖にもなりかねない。ある意味、病気以上のリスクがあるかもしれない。
政府も大きな岐路に立たされている。
経済のリスク
既に世界経済は大打撃を受けている。各国とも経済対策に躍起になっているが、世界的な恐慌は避けられないのか!
経済対策で、各国の政府は、お金をじゃぶじゃぶ市場に出しているので、貨幣価値が下がり、インフレ懸念が出てくる。いずれにしても、ここ数年は、穏やかではない。
日本で、緊急事態宣言が出ると、薬局やスーパーマーケットなどの生活維持に直結する店以外の小売店等に対し、営業自粛要請がかかり、都市封鎖といった状況となる。
そうなると、多くの店の倒産が懸念される。
ニューズウィークの記事によると、倒産の多い業種として、飲食店、小売業、旅行・レジャー、顧客・支援サービス、組合・団体、自動車関連、不動産と書いている。
既に、旅行業会などの大打撃は報道されていて、旅館の廃業といったニュースも相次いでいる。
全国の都市部の飲食店でも客足は非常に減っている。数人で飲酒する人はいても、大人数での飲み会は中止になっているので、都市部の飲食店は既に重症だろう。
緊急事態宣言が出て都市が封鎖されるのは、当面、東京都ぐらいだろうが、収入がゼロになるから、家賃が払えなくなる。他の業態も同じだ。
衣食足りて礼節を知る
中国故事だが、”衣食足りて”というのは、生活に事欠かなくてということで、”礼節を知る”とは、礼儀やマナーを守れるようになるということだ。
汚く言えば、「食っていけなければ、マナーなんて守らない。」とも言えるだろう。
東京の飲食店では、営業を自粛しているところもあるが、依然として営業しているところもある。
ふざけるな、店閉めろ!と言いたいが、店を閉めたら、食っていけないのだから、礼節を守らないのも非難できない。
もう一つのリスク
それは、自殺のリスクだ。このままの状態が長引いても、緊急事態宣言が出されても、倒産件数や失業件数の増加は避けられない。
残念なことに、失業率と自殺者数は比例している。
つまり、病気のリスクがあり、抑え込まないと医療崩壊のリスクがある。医療崩壊を避けるために、緊急事態宣言をすれば経済的なリスクが加速する。こっちを立てればあっちが立たずといった感じだ。
加えて、政府の支援が届かなければ、失業によって自殺者数の増加というリスクがある。
政府の適切な判断を信じるしかないが・・・。結果的に、もし政府の判断が間違っていたとしても、結果論であり、避難できる状況ではないだろう。