僕は、仕事を引退して働かない決断をしたので、資産運用を考えないといけない。結構、高い出費となる保険について、少し勉強したので書いてみる。
保険というと生命保険や医療保険が思い浮かぶが、自動車保険や火災保険も保険だ。1ヶ月の保険料は、総額では結構な額になる。
僕は、現職中3つの保険に入っていたが、一つは解約し、60歳の時点では、払い済み保険と終身型の医療保険があった。終身型は保証は十分だが、高い保険料を死ぬまで払い続けないといけない。それでも同僚と比べると非常に少ない方だった。
自動車保険
自動車保険には強制保険と任意保険がある。強制保険は、自動車損害賠償保険(通称自賠責保険)で、車を所有する上では法律で加入が義務付けられている保険だ。
これには、対人賠償があるが死亡に対して、最高3000万の限度額しかない。今では、億を超える高額賠償事例も多い。また、障害に対しては、120万の限度額となっている。これは、治療費、休業補償、慰謝料を含めての限度額で、万が一大きな事故を起こせば、到底賄えるものではない。また、相手の車などの物に対する保証は一切ない。
車を乗る上では、任意保険の対人・対物賠償無制限は必須だろう。また、任意保険には、付帯サービスがある。弁護士費用特約と車両保険だ。
交通事故は、一方的に相手が悪くても、中々和解が成立しないらしい。ゴネ得みたいなところがあって、最終的には裁判をせざるを得なくなる。弁護士費用特約は、入っておくべきだ。
車両保険は、自分の車にかける保険なので、事故、飛び石、自然災害でも修理費用が出る。しかし、保険料が非常に高い。高価な車を持っている人は、入る人が多いが、年式が古ければ、費用対効果の面では不要だ。
火災保険
近年の自然災害の影響を反映して、昨年値上げされ、来年にも再度値上げされるらしい。地震保険も同様だ。しかし、持家の人は必須だろう。
生命保険の種類が多い
自動車保険、火災保険は必須だ。問題は、生命保険だが、独身か、若いか、年寄りかなどの家庭環境で違ってくるだろう。また、会社によって福利厚生の面で差がある。
その種類も、保険会社によって、死亡保険、医療保険、がん保険、学資保険、個人年金保険、傷害保険など、いろんな種類がある。
特に死亡保険の種類は煩雑で、定期保険と言われる満期返戻金のあるものや終身保険、養老保険と言った物もある。ここまでくると訳がわからなくなる。
保険会社も40社位あるらしく、ネット保険や外資系の保険会社も多い。
僕も現職中はそうであったように、こんな事が起これば・・・と不安を煽られると、入ってしまうことも多いものだ。
最低限の生命保険で十分
新型コロナで、騒がれているが、例えばアメリカは、州によって制度が異なっていて、個人で民間の保険会社に入るか、勤務先等の団体保険に入るしかない。(低所得者など国と州が負担し合う公的医療制度がある。)保険料も高いので、入っていない人も多い。
日本には、国民皆保険と言う素晴らしい保険がある。病気をした場合は、この公的保険が守ってくれるので、基本的に、医療保証のある保険は必要ない。
病気して一番かかるのは個室料金だ。これは、公的保険では出ないので、自己負担になる。しかし、個室に入る必要もないだろう。どうしても入りたいなら、その分お金を貯めとけばいい。
家庭を持ったら死亡保証のある掛け捨ての生命保険に入るといい。
貯蓄型の保険はいらない
生命保険の中には、満期返戻金をもらえる貯蓄型がある。お金が返ってくるので、魅力的に思えるが、要は、割高な投資信託と掛け捨ての生命保険を掛け合わせた物だ。
投資信託に回される金額部分には、当然高い手数料がかかってくる。投資信託は、分散した株投資だから株価変動のリスク部分を吸収しているので、割高な設定だ。
株がわからない人は、騙されやすいが、その部分を自分で投資信託に回す方が断然コスパがいい。その辺に疎い人は、貯蓄として持っておく方が賢明だ。
他にも、個人年金保険、養老保険なども、割高な投資信託との掛け合わせなので全く同じ構図で必要ない。
米ドル建てや豪ドル建ての外貨保険もあるが、これも外貨建ての投資信託なので、景気の良い米ドルなんかは利率がいいようにう思えるが、世の中そんなに甘くない。為替リスクというのがある。満期時に円高になっていたら、返戻金を受け取ろうとすると大きなマイナスとなる。
当然、他の保険と一緒で事務手数料、信託手数料が差っ引かれた額が投資に回される。魅力的と思うなら、自分で手数料のやすい外貨建て投資信託を買えばいい。保険とは違い、いつでも売買できる大きなメリットがある。
医療保証の保険
僕は、医療保険に約40年間入っていた。年齢によって金額が上がっていくので、最後は6000円近く払っていたが、若い時には、3000円程度だったかもしれない。
平均4500円だったとしよう。年間約5万円、40年で約200万だが、一回も使っていない。その保険に入っていなければ、手元に現金200万が残っていたことになるが、40年間の安心を200万円で買ったと思って納得するしかない。
当然病気をして恩恵を受けた人も多いだろうが、日本には、高額療養費制度と言うのがあり、所得にもよるが、最大でも月10万円もかからない。70歳以上になるとまたその半額だ。
そもそも病気して保険で儲けて喜ぶのもいかがなものか。
加えて、最近は入院期間が短期化している。1ヶ月以上も入院するのは稀になった。労災であれば、休業補償もあるし、障害が残っても、障害年金もある。
その分貯蓄しておけば、病気しても公的保険とその貯蓄で十分賄えるので、必要ない。
がん保険
悩ましいのが一番お金がかかると言われるがん保険だ。
先進医療という重粒子線治療などがあるが、そもそも罹患率の高い、胃癌、大腸癌、乳がんの場合はこの治療が使えない。ただ、これも罹患率が高い子宮癌や肺癌には使えるらしい。しかし、今後は公的保険が認められていく可能性もある。
公的保険の効かない子宮癌や肺癌は、重粒子線治療を行えば300万位かかると言われる。この辺は判断が分かれるとこか。
がんは早期発見が可能になってきていて、医学も進歩している。特定の癌にかからない限り、お金はかからない。
また、外来化学療法が主流になっているので、もし入るなら通院給付金がついているものを選ぶべきだろう。
県民共済
僕が入っている払い済み保険は、入院と小額の死亡保険がついている。60歳までに保険料を払い込んだので、後は保険料なしで80歳まで保証がある。
後は終身型の医療保険だが、6000円近い保険を死ぬまで掛けないといけない。働いていれば問題ないが、働かない選択をしたので、大きな出費になる。
県民共済も医療保険に近く、死亡保証は少ないが月額2000円だ。先進医療などのついた特約(1000円)をつけても3000円ということになり半額ですむ。
県民共済のいいところは、非利益主義ということだ。元受団体は全国生協連で、認可を受けた非営利団体となっている。全国で県民共済のない県が5つあるそうなので、残り42都道府県には存在する。
非営利主義なので、保留を最小額にして、割戻金がある。以前は、80歳までの保証だったが、今は保証が85歳までに延びている。
僕は、払い済みの保険があるので、県民共済に入る必要もなかったが、小額なので入ってしまった。
個々の環境で選ぶ
大前提として、保険は入れば入るほど損をする。最低限の保証でいい。それも絶対に掛け捨てだ。積立みたいなものは、魅力的に見せるためのカモフラージュだ。余計な手数料をファンドあたりに支払っているのでコスパが悪い。自分で積み立てればいい。
家庭持ちは、死亡保証のあるネットの生命保険でいい。月額2000円程度で死亡保険2000万円だ。独身や年寄りは死亡保証の生命保険はいらない。
僕は入ってしまったが、入院保証の保険も貯蓄がある程度あればいらない。不安な人は40歳位で県民共済に入るといい。県民共済は、年寄りも若い人も保険料が変わらないので、若い人は割高で、年寄りには割安だ。ただ、慢性疾患があれば入れないので、慢性疾患が出る前の40歳で入ればいいだろう。
余計な一言
そもそも、ある程度貯蓄があれば、日本には国民皆保険や高額医療制度という強い見方がいるのでなんとかなる。
貯蓄がない人ほど、万が一の時はお金がないので、高い保険に入る。また、貯蓄ができなくなる。負のスパイラルだ。
かんぽ生命や郵貯の問題があったが、高齢者に投資信託を何重にも契約させて、それを担保に貸付までさせている。
他の保険会社は、そんなことはないだろうが、お金に疎いと騙される。お金の勉強をしておくべきだろうし、そもそも保険に金を使うより、健康のために自分の体に投資すべきだ。
テレビをつけると、今日は散歩の日と言っていた。3月25日(サンポニゴー)らしい。馬鹿馬鹿しいが、乗っかって、散歩に出かけることにしよう。